BeRealによる情報流出に、企業はどう備えるか
BeRealによる情報流出を防ぐには、社内での私的な撮影・録音を原則禁止とするルールを設けることが望ましいと考えられます。顧客情報や社内資料を守るため、投稿の内容だけでなく、撮影する段階から対策を整えましょう。
本記事では、西日本シティ銀行の事例をもとに、社内の撮影ルールと、情報流出の発見に役立てるネットパトロールについて解説します。「撮影を防ぐ対策」と「外に出た情報に気づく仕組み」を、セットで考えていきます。
社内の私的な撮影は、原則禁止にすることが望ましい
■ 私的な撮影・録音の基準を明確にする
情報管理では、撮影してよいかどうかを各従業員の判断に任せず、会社として基準を示すことが大切です。BeRealを含む私的なSNS投稿のための撮影・録音は、社内では原則禁止とし、判断に迷わないルールを定めておくことをおすすめします。
■ 写真・動画・音声を記録する機能に注意
BeRealは前後のカメラで本人と周囲を撮影します。さらに、撮影直前の短い動画を共有するBTS機能では、マイクへのアクセスを許可している場合、音声も記録されます。画面や書類だけでなく、周囲の会話も管理の対象です。
通知から2分が過ぎても投稿は可能です。通知が届いたことは、社内で撮影する理由にはなりません。研修でも「勤務中や社内では、アプリの通知より会社のルールを優先する」と伝えてください。
■ 業務上の撮影は事前承認に
業務上必要な撮影については、目的、承認者、使用する端末、保存先を定めておくとよいでしょう。私的な撮影とは区別し、社員が各自の判断で撮影を始めない運用を整えることが大切です。
【事例】西日本シティ銀行で起きた情報流出
| 公表・報道時期 | 事例の概要 |
|---|---|
| 2026年4月 | 2026年4月、西日本シティ銀行の行員がBeRealに投稿した支店内の映像から顧客情報が流出し、Xにも転載されたと報じられました。 |
| 2026年6月23日 | 同行の6月23日の公表資料では、個人顧客8名に関する情報と、法人顧客19社の名称が外部から閲覧できる状態になっていたと説明しています。再発防止策には、私用スマートフォンの執務室への持込み禁止や、管理職を含む研修などが盛り込まれました。 |

この事例を自社の対策に生かすなら、個人への注意だけで終わらせず、職場で撮影を止める仕組みまで点検したいところです。あわせて、外部のSNSへ転載された情報を、会社としてどう把握するかも決めておきましょう。
ネットパトロールとは、会社に関する投稿の見回り
■ ネット上の投稿を定期的に確認する
ネットパトロールとは、自社についてネット上で何が書かれているかを定期的に確認することです。SNSの投稿を確認する取り組みは「SNSモニタリング」とも呼ばれます。
社名や店舗名、ブランド名などを手がかりに、公開されている投稿を調べます。BeRealの対策では、例えば次の内容を確認します。
- 社内の写真や動画が、外部のSNSに出ていないか。
- 顧客情報や社内資料が含まれていないか。
- 投稿に対し、どのような指摘や批判が寄せられているか。
会社の公式アカウントだけでなく、自社について書かれた投稿も確認対象です。元の投稿と転載先を分け、どこに何が出ているかを整理します。
■ 確認できる範囲と社内報告を組み合わせる
ただし、BeRealの友達限定の投稿をすべて把握できるわけではありません。確認できる媒体や公開範囲を明確にし、従業員からの報告も受け付ける体制にします。社内での撮影を防ぐルールと、ネットパトロールを組み合わせて備えることをおすすめします。
見つけた投稿を、会社の対応につなげる
ネットパトロールで投稿を見つけたら、まずは本当に自社に関係するものかを確認します。撮影場所や日時、元の投稿を調べ、必要に応じて社内の担当者や関係者に確認してください。
■ 発見後に確認する三つのポイント
そのうえで、次の三点を整理します。
- 何が外に出たか。顧客名、社内資料、会話など、含まれる情報を確認する。
- どこまで広まっているか。転載先や投稿への反応を確認する。
- 誰に影響があるか。顧客、取引先、従業員など、関係する相手を確認する。
投稿内容やURL、確認日時を記録し、公開の停止、関係者への連絡、会社としての説明など、必要な対応を判断します。個人情報を含む記録は、必要な担当者だけで共有してください。
ネット上の指摘と、会社が確認できた事実は分けて整理します。短い映像だけで前後の事情を断定せず、確認した事実に基づいて対応を進めましょう。

ネットパトロールでは、何が外に出て、何が問題とされているかを確認します。その情報を、調査や関係者への連絡につなげることが大切です。
禁止のルールを、現場で守れる形にする
撮影・録音に関するルールを設けたら、入社時の説明だけで終わらせず、管理職を含めて継続的に共有することが大切です。特に、次の点を具体的にしておくと、現場での判断をそろえやすくなります。
- 執務室や会議室など、禁止する場所を明示する。
- 私用スマートフォンの持込み・使用条件を決める。
- 不適切な撮影や誤投稿に気づいたときの連絡先を定める。
「人や資料が写っていなければよい」「休憩時間ならよい」と各自に判断させないよう、ルールの適用範囲を説明します。業務上必要な撮影についても、事前の承認手続きを周知してください。
■ 気づいた人がすぐ報告できる窓口を用意する
また、撮影を見かけた同僚や、誤投稿した本人が、すぐに報告できる窓口を用意します。責任者が不在の場合の連絡先も決め、情報が担当部署へ届くようにしましょう。
まとめ|撮影を防ぐルールと、流出に気づく仕組みを
企業担当者向けチェックリスト
- 社内での私的な撮影・録音について、禁止する範囲を明確にしているか。
- 業務上必要な撮影に、事前の承認手続きを設けているか。
- 自社に関する公開投稿を確認する媒体・頻度を決めているか。
- 撮影や情報流出に気づいた人が、すぐ報告できる連絡先があるか。
ネットパトロールのご相談について
株式会社エノルメでは、SNSの社内ルールづくりや従業員教育、自社に関する公開投稿の調査、問題が見つかった際の対応についてご相談を承っています。
ネットパトロールを始める際は、何を、どの媒体で、どの頻度で確認するかを整理します。検索だけでは判断しにくい投稿も、内容を確認し、会社が対応を考えるための情報としてまとめます。
「社内のSNS運用ルールを見直したい」「自社の情報がネットに出ていないか知りたい」。そのようなお悩みから、お気軽にご相談ください。
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参考資料・関連情報
- BeReal公式ヘルプ「Time to BeReal」
- BeReal公式ヘルプ「Behind The Scenes (BTS)」
- ITmedia NEWS「なぜ「BeReal」から漏えいが相次ぐのか “2分以内”の焦りが生む不用意な投稿」(2026年5月1日)
- 西日本シティ銀行「再発防止策の策定について(PDF)」(2026年6月23日)
※本記事は、2026年10月17日までに確認した公式ヘルプ、企業の公表資料および報道内容に基づき作成しています。撮影ルールやネットパトロールの運用は、各社の業務や扱う情報に応じて検討してください。

